開発費を予測するコツ

 お客様にとっては、問い合わせの前に、おおよそどれぐらいの開発費になるのか、ある程度予測できると助かるはずです。ここでは、ソフトウェア開発の専門的な知識がなくても、事前にどの程度の開発費がかかるかを予測するコツを紹介します。

■ どんなソフトウェアが欲しいのか、日本語で書いてみる

 どんなソフトウェアが欲しいのか、日本語でかまいませんので、できるだけ詳しくその内容を書いてみてください。紙でもかまいませんし、ワードやエクセルを使ってもかまいません。そのとき、(画面が必要なら)画面の詳細なレイアウトも書いてください。ユーザーが間違った操作をしたり、実行中に何らかのトラブルがおきて継続できなくなったときにどうするかなどももれなくです。

 次に、先ほど書いた内容についてまったく知らない人がそれを読んで、どの程度の時間をかければ内容を完全に理解できるかを調べてください。できれば実際に試してみるのが一番ですが、予想だけでもかまいません。予想の場合、どうしても楽観的な数字を出してしまいがちですので、できれば、その予想値を1.5倍から2倍するのがよいかと思います。

 ここまででどれだけの時間がかかったでしょうか? ごくシンプルなソフトウェアの場合、大体この時間が開発にかかる時間になります。ただし、専門的な知識がないと、どんなに詳しく書いたつもりでも漏れがありますし、想像もしなかったことへの対処が必要なこともありますので、1.5倍ぐらいは見ておくほうがよいでしょう。また、ソフトウェアが複雑になれば、日本語で書いて、それを理解する時間の数倍から数十倍程度の時間が開発にはかかります。

■ 基本的には時間×単価=費用

 開発費の大部分は人件費です。ですので、先ほど予測した開発時間に、時間あたりの単価を掛け算すれば、おおよその費用が出てきます。弊社の場合、時間あたりの単価は通常3,000円~6,500円です。なぜこんなに開きがあるかというと、実際に開発に関わるスタッフの能力が異なるからです。

 能力の高いスタッフが担当すれば、より短い時間で、より良いものができあがります。能力差による時間の差は、場合によっては10倍ぐらい変わります。きじねこソフトウェアで扱っているような単機能のソフトウェアを一から開発する場合、たった一人の担当者が最初から最後まで行いますので、とくにこの傾向が顕著になります。規模がある程度大きくなれば、分業せざるを得なくなりますので、この差はある程度平準化されます。

 お急ぎの場合、仮にそれが比較的能力が低いスタッフでも十分こなせる内容であったとしても、能力の高いスタッフが担当せざるを得なくなることが多々あります。そのような状況では、開発にかかる時間はそれほど変わりませんが、単価が上がるため、どうしても費用が跳ね上がります。

 逆に、納期までに十分な期間をいただける場合、必要充分なスタッフを担当させることができますし、能力が高いスタッフが担当する場合であっても、手が空いたときに開発に関わりますので、通常よりはずっと低い単価で対応することも可能になります。

 ソフトウェアの仕様が400字程度でまとめられるのであれば、それをまとめるには30分もあれば可能でしょう。それを読んで理解するには15分ぐらいでしょうか。両方をあわせると45分です。余裕をみて1.5倍すると...

    (30分 + 15分) × 1.5 = 67.5分 = 1.125時間

ということになります(実際の開発ではもっとかかっていますが、納期に余裕を見ていただくことで吸収しています)。6,500円の単価でこの時間を掛け算すると7,313円になります(端数は切り上げています)。

 これに、お問い合わせへの対応やウェブサイトのメンテナンス等のコストとして約2,000円を加算しています。さらに、弊社の利益として7%程度を乗せ、10,000円という金額を出しています。もちろん、消費税をいただかないといけませんので、実際の請求額は消費税を加算することになります。

■ こういう依頼は高くなる!

 ご提示いただいた仕様にあいまいな部分があればあるほど、見積もり金額は高くなります。言外にどんなことを想定されているのかが見えないため、予想可能な最大の見積もりを出さざるを得ないからです。例えば、「○○みたいな」、「○○とか」、「○○など」といった記述を多く含む仕様は、その分だけ高額な見積もりが出ます。

 また、既存のソフトウェアを例に挙げて、それに機能を追加したり、変更したりする仕様をご提示いただく場合があります。この場合、既存のソフトウェアの解析にかかる費用も見積額に反映されます。さらに、解析してみないことには、実際どの程度かかるかの予想が困難なため、仕様があいまいな場合と同様、非常に高額になってしまいます。

 オープンソースのフリーウェアを改造することで、安く作ってほしいという依頼を受けることもあります。しかし、この場合も先ほどの例と同様、まずはそのフリーウェアの解析から行う必要がありますし、もし、そのフリーウェアにバグがあると、それの解析や修正も行うことになるため、やはり高額の見積もりが出ます。

 きじねこソフトウェアでは、お客様がご自分の環境だけで使うソフトウェアの開発を前提としています。しかし、開発したソフトウェアを、社内やグループに属している数人で使うこともあるでしょう。そうした場合、環境がバラバラであればあるほど、開発費がかかります。つまり、同じWindowsであっても、Vistaと7と8のユーザーがいる場合、単純計算でもテストに3倍かかることになるわけです。